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  • 東京医科歯科大学卒の歯科衛生士が教える!《マウスピース矯正中》の正しい歯磨き方法

    歯に汚れが付いたままマウスピースを装着してしまうと、むし歯や歯周病になってしまうリスクが。この記事では、歯列矯正中の正しい歯磨きのやり方やマウスピースの洗い方、外食をして食事後すぐに歯が磨けないときの対処法もご紹介します。

    マウスピース矯正期間中の正しい歯磨き方法

    マウスピース矯正は、ワイヤー矯正よりも歯を磨きやすいのが特徴です。ワイヤー矯正は装置を自分で外すことができないため、装置が邪魔で歯ブラシの操作が難しかったり、装置と装置の間に挟まった汚れを取るのが大変だったり。マウスピース矯正では歯磨きなど必要時には装置を自分で外せるため、不自由さはほとんど感じません。

    歯に汚れが残ったままマウスピースをはめると、むし歯や歯周病になりやすくなります。正しい歯磨き方法を知っておきましょう。

    ①マウスピースを外し洗浄する

    歯磨きをするときにはまずマウスピースを外します。外すときに無理に力をかけると、マウスピースが割れたり壊れたりするため注意しましょう。

    マウスピースにも歯と同様、唾液や汚れが多く付いています。指を使って水で洗い流しましょう。熱いお湯はマウスピースを変形させてしまうため、水またはぬるま湯で洗います。指を使っても取れない汚れには、洗浄液ややわらかい歯ブラシを併用すると良いでしょう。こちらの記事ではマウスピースのお手入れ方法について解説しているので、ぜひ参考にしてみて下さいね。

    ②磨く順番を決めて歯ブラシで全体を磨く

    歯を磨くコツはいくつかあります。

    • 順番を決めて磨く
    • ものを噛む面・歯の表側・歯の裏側の3つに分けて磨く
    • 歯1本あたり歯ブラシで10回こする
    • 汚れが溜まりやすい部分は念入りに

    使用する歯ブラシは?

    歯ブラシはふつうの硬さで、毛先の平らなもの(毛の長さがすべて同じもの)がおすすめです。なお歯ぐきが腫れていて磨くと痛い場合は、毛のやわらかいものを使いましょう。ただふつうの硬さのものに比べると汚れは取れにくいです。

    歯を磨く順番とやり方は?

    歯を磨くときは、「上の歯をすべて磨いてから下の歯を磨く」「左奥歯→前歯→右奥歯の順に磨く」などと順番を決めて磨くようにします。またものを噛む面・歯の表側・歯の裏側の3つに分けて磨きましょう。これらを意識しないでいると、つい右奥ばかり磨いたり裏側を磨き忘れたり、癖が出てしまい磨きムラが起こります。

    歯ブラシを動かす幅は歯1〜2本分。歯と歯ぐきの境目あたりに毛先を垂直に当てて、細かく1か所10回ずつこすります。この回数を守って全体を磨くと、意外と時間がかかります。朝や昼は難しくても、夜寝る前はしっかり時間をかけて磨きましょう。

    • 歯と歯が重なっている部分
    • 歯と歯の間に隙間がある部分
    • 下の奥歯の裏側(舌側)
    • アタッチメントの周り

    人によっては歯と歯が重なっていたり、歯と歯の間に隙間があったりすることも。これらはマウスピース矯正を進めていくうちに改善されていきます。それまでの間は汚れが溜まりやすい部分となるため、特に念入りに磨きましょう。

    下の奥歯の裏側は、舌があることで歯ブラシが届きにくく汚れが残りやすい部分です。またアタッチメント(歯に付ける突起)も、飲食物によっては汚れ・色が付きやすいです。これらの部分は特に意識して歯ブラシを当てましょう。慣れるまでは鏡を見ながら行うとスムーズに磨けます。

    ③フロス・歯間ブラシで歯と歯の間を磨く

    歯ブラシだけでは、全体の7割程度しか汚れを落とせないと言われています。残りの3割は「歯と歯の間に残った汚れ」。歯と歯の間は歯ブラシの毛が届かないため汚れが残りやすく、むし歯になりやすい部分でもあります。

    フロスや歯間ブラシは、歯と歯の間清掃のために作られたもの。ドラッグストアなどで市販されているものでも十分効果を発揮します。

    • フロス
      メリット:しっかり清掃でき、コストパフォーマンスも高い
      デメリット:慣れるまで操作が難しい
    • 歯間ブラシ
      メリット:初心者でも操作が簡単、清掃効率も良い
      デメリット:歯ぐきに近い部分しか清掃できない
      持ち手が付いていて操作しやすいウルトラフロスや、清掃効率を重視したスーパーフロスと呼ばれる商品もあります。いずれも値段が高いなどメリットがあればデメリットもあります。部位によって使い分けても良いですが、自分が続けられるものを選ぶのがポイントです。

    ④マウスウォッシュで仕上げ

    余裕があれば、マウスウォッシュで仕上げまでできると良いでしょう。ただマウスウォッシュには、歯ブラシやフロスなどのように汚れを落とす力はありません。そのためあくまで仕上げであり、歯ブラシなどの代わりにはなりません。

    ⑤時間を決めてマウスピースを薬液に漬ける

    マウスピースは水による洗浄だけでは不十分なため、放置しておくと細菌が繁殖し口臭につながります。1日に1回か、少なくとも2〜3日に1回は薬液に漬けることをおすすめします。

    商品にもよりますが、薬液に漬ける時間は5〜15分。時間を確保できれば、歯磨きをした後マウスピースを薬液に漬けましょう。あるいは歯磨きを始める前に漬けてしまえば、その間に歯磨きができるため効率が良いです。

    マウスピース専用の洗浄剤がなければ、市販の入れ歯洗浄剤でも十分効果を発揮します。

    マウスピース矯正中の歯磨きのタイミングはいつ?

    食事後のマウスピースを装着する前に歯を磨くようにしましょう!当たり前かもしれませんがとっても大切なこと。歯を磨かずにマウスピースを装着してしまうと、むし歯や歯周病になるリスクが一気に上がります。

    外出中でどうしても歯磨きができない!そんなときは?

    フロス・歯間ブラシや、うがい、ガム、歯磨きシートで簡易的に汚れを落とそう!
    仕事中や外出先など、どうしても食事後歯磨きができないこともありますよね。その場合はフロス・歯間ブラシやうがいをしたり、ガムを噛んだりするだけでも違います。数時間放置しただけでむし歯・歯周病にはなりません。時間が取れるときにしっかり歯を磨きましょう。

    マウスピース矯正中は歯磨きグッズを持ち歩くのも◎
    マウスピース矯正を始めてからは、歯磨きグッズを常に携帯しておくのがおすすめです!おすすめの携帯用歯磨きグッズとして以下のアイテムがあります。ぜひ参考にしてみて下さいね。

    • 歯ブラシと歯磨き粉
    • 歯間ブラシ・フロス
    • 歯磨きシート
    • マウスウォッシュ

    マウスピース矯正中も清潔な口内環境を保とう!

    むし歯や歯周病にならないためにも、しっかりと歯磨きをすることやマウスピース本体のケアをすることが大切です。正しく歯を磨くことを意識して、清潔な口内を保ちましょう!