歯列矯正する人の割合と始める理由とは？｜日本で人気の矯正方法や選び方・メリットを解説

「歯並びが気になるけど、自分は矯正すべき？」「周りはどれくらいしているの？」そんな悩みに答える記事です。日本で歯の矯正をしている人の割合や始める理由を解説し、人気の矯正方法やメリット・注意点も紹介。歯並び改善を検討中の方はぜひ参考にしてくださいね。

日本人の歯並び事情と矯正する人の割合

日本人の歯並びや咬み合わせの状態は、世代や生活習慣によってさまざま。八重歯や出っ歯、乱ぐい歯などの不正咬合は珍しくなく、多くの人が何らかの歯並びの問題を抱えています。

また、実際に矯正治療を受けている人の割合は年齢や性別によって異なり、近年は美容や健康の観点から成人で矯正を始める人も増加中です。ここでは、日本人の歯並び事情と矯正する人の割合の全体像を見ていきましょう。

不正咬合の日本人割合は？

不正咬合とは、上下の歯が正常にかみ合っていない状態を指し、八重歯、出っ歯、乱ぐい歯、開咬など、さまざまな種類があります。

最新の統計では、成人の約60％が軽度〜中等度の不正咬合を抱えている※とされ、特に前歯の突出や八重歯は、見た目だけでなく咀しゃくや発音、歯磨きのしやすさにも影響します。

加えて、虫歯や歯周病リスクも高まるため、早めの歯科相談が推奨されています。これにより、矯正の必要性を実感する人が多いこともわかります。

不正咬合の原因としては、遺伝的要因、口呼吸、指しゃぶり、食生活の乱れなどが挙げられます。特に現代では、食生活や生活習慣の影響で、顎が小さく歯がきれいに並ばないケースが増えており、不正咬合は決して珍しいものではありません。

※日本臨床矯正歯科医会「市民1000人に聞く『矯正歯科？』」意識調査参照
https://www.jpao.jp/15news/1535awareness-survey/story-06-2.html

実際に矯正治療を受けている人の割合は？

矯正治療を実際に行っている日本人は全体の約10％程度※とされています。

年代別では20代が最も多く、30代や40代も続きます。男女別では女性の方がやや多く、美容意識の高さや口元の印象への関心が背景にあります。近年では成人矯正が増加傾向で、子どもだけでなく大人が自分の歯並びを整えるケースも珍しくありません。

※日本臨床矯正歯科医会 意識調査「矯正歯科治療に関する意識調査」 https://www.jpao.jp/15news/1535awareness-survey/%E3%80%8C%E7%9F%AF%E6%AD%A3%E6%AD%AF%E7%A7%91%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%84%8F%E8%AD%98%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E3%80%8D%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%88%E8%AA%BF.html

矯正を検討する人が増えている理由

矯正を検討する人が増えている背景には、

• 美容意識の向上：歯並びを整えることで笑顔に自信を持ちたい
• 歯科医療の進歩：痛みや治療期間の不安が軽減され、マウスピース矯正など目立たない方法も選べる
• 健康面のメリット：噛み合わせを整えることで、肩こりや消化不良などの改善につながることも

などの理由があります。

近年は、見た目だけでなく健康や心理面にも効果が期待できるため、矯正を始める成人が増えています。美容・健康・心理の3つのメリットがあることで、矯正は単なる「歯並びを整える治療」ではなく、ライフスタイル全体を向上させる手段として認識されつつあります。

歯列矯正を迷う人が多い理由は？

費用が高いと感じている

矯正治療は決して安価ではなく、ワイヤー矯正では70〜120万円、マウスピース矯正では20〜100万円程度が一般的です。

費用の高さに躊躇する人も多く、支払い方法や分割払いを検討するケースが増えています。費用面の不安は誰もが抱える悩みですが、長期的な歯の健康や見た目への投資と考えると、検討する価値があります。

※地域やクリニックにより大きく異なります

痛みや期間に不安がある

矯正中に感じる痛みや治療期間への不安も、踏み切れない理由のひとつ。

ワイヤー矯正は装置装着後に軽い痛みや違和感が出ることがありますが、最近は痛みを軽減するワイヤーやマウスピース矯正が普及しています。治療期間も症例によって異なりますが、軽度の歯並びであれば2ヶ月〜1年、全体矯正でも1〜3年程度で完了するケースが多く、長期的に見れば生活への負担は想像よりも少ないことが多いです。

見た目への抵抗感がある

「矯正装置が目立つのが嫌」という理由で迷う人も多いです。従来のワイヤー矯正は装置が見えやすいですが、透明なマウスピース矯正や歯の裏側に装置をつける舌側矯正など、目立たない方法もあります。仕事や人前での見た目を気にする人でも、安心して矯正を始めやすくなっています。

歯列矯正により噛み合わせが整うことで得られるメリット

歯列矯正は見た目を整えるだけでなく、体全体の健康や生活の質にも直結するメリットがあります。

• 食事がしやすくなる
  　歯並びが整うことで食べ物をしっかり噛めるようになり、消化への負担が軽減されます。
  
• 発音が改善される
  　歯の位置が正しくなることで、言葉の発音がしやすくなります。
  
• 顔のバランスが整う
  　噛み合わせが整うと、顎や口元のバランスが整い、見た目の印象が改善されます。
  
• 肩こりや顎関節の負担を軽減
  　正しい噛み合わせは顎関節や首・肩への負担を減らし、肩こりや顎関節症の予防・改善にもつながります。
  
• 歯ぎしりや顎関節の不調の改善
  　歯のかみ合わせを整えることで、歯ぎしりや顎関節の違和感が軽減されるケースがあります。
• 虫歯や歯周病リスクが軽減する
  　歯並びが整うと歯磨きがしやすくなり、磨き残しが減ることで虫歯や歯周病のリスクを軽減できます。
• 歯磨き・セルフケアが習慣になる
  　矯正治療中は装置管理やブラッシングを意識する必要があるため、自然と歯磨きやセルフケアの習慣が身につきます。これにより、治療終了後も口腔健康を維持しやすくなります。

日本人におすすめの矯正方法と選び方

ワイヤー矯正の特徴と向いている人

ワイヤー矯正は幅広い症例に対応できる従来型の矯正方法です。複雑な歯並びや顎の問題にも対応可能で、治療計画が立てやすいのが特徴。

費用はやや高めですが、確実に歯を動かせるため、長期的な効果を重視する人に向いています。見た目が気になる場合は透明ブラケットや目立たないカラーを選ぶこともできます。

マウスピース矯正の特徴と向いている人

マウスピース矯正は透明で取り外し可能な装置を使う方法で、特に成人に人気があります。

目立たず、食事や歯磨きの自由度も高いため、日常生活への影響が少ないのがメリットです。軽度〜中等度の不正咬合に向いており、自宅でのセルフケアや装着管理が可能な人に最適です。

それぞれの矯正の費用や期間の参考

矯正方法	特徴	費用目安	治療期間
マウスピース矯正（DPEARL、インビザライン）	透明で取り外し可能	20万〜100万円	2ヶ月〜2年
表側ワイヤー矯正	一般的なワイヤー矯正	70万〜120万円	1〜3年
裏側矯正（リンガル・ハーフリンガル）	歯の裏側に装置	80万〜150万円	1〜3年

支払い方法の選び方（デンタルローン、クレカなど）

高額な矯正費用を分割で支払う場合、デンタルローンやクレジットカード分割が便利です。

ローンは低金利で長期分割可能、カード分割は手軽ですが金利がかかる場合があります。自分の生活スタイルに合った支払い方法を選ぶことで、心理的負担を軽減できます。

自分に合った矯正を始めるために

矯正は見た目を整えるだけでなく、噛み合わせや口腔健康にも大きなメリットがあります。

まずは歯科医院で相談し、自分に合った方法や期間、費用を確認することが、満足度の高い治療への第一歩となるでしょう。

※統計データは調査時期や対象により異なります。
※個人の症状や治療の必要性については、必ず歯科医師にご相談ください。
※費用や治療期間は個人差があり、記載の数値は一般的な目安です。