TOP BLOG 過蓋咬合(深い咬み合わせ)の矯正費用を手法別・年代別に紹介 – 保険適用ケースも 過蓋咬合(深い咬み合わせ)の矯正費用を手法別・年代別に紹介 – 保険適用ケースも 自分の歯を鏡や写真で見た時、歯並びや嚙み合わせが気になる方も多いのではないでしょうか? 笑った時に、下の歯が上の歯に隠れてしまい見えない ガミースマイルと言われる 下の歯が上の歯の裏の歯肉に当たって痛いことがある 上下の嚙み合わせが深い 上記のような症状や見た目でお悩みの方は、過蓋咬合という嚙み合わせの可能性が考えられます。 過蓋咬合は、見た目のリスクだけでなく、歯や顎に様々なリスクを及ぼすことがあり、症状が出る前に、矯正治療によって改善することが必要だと言われています。 今回は、矯正に携わる歯科医師が過蓋咬合に関する矯正治療や費用、また保険適応のケースについても紹介させていただきます。 その他の症例についてはこちらの記事でまとめています。併せて御覧ください。 あわせて読みたい マウスピース矯正の費用を症例、部分、年代、種類別に解説【歯科医師監修】 マウスピース矯正は見た目に影響が少なく、近年女性を中心に注目を浴びています。 しかし興味はあっても高額とされている費用に悩まされ、矯正を始めることを躊躇している方は多いのではないでしょうか。 この記事では、マウスピース矯 […] 過蓋咬合とは 過蓋咬合とは、上下の歯の咬み合わせが通常よりも深く、下の前歯が上の前歯によって過剰に覆われている状態を指します。専門的には「ディープバイト」とも呼ばれ、正常な咬み合わせでは上の前歯が下の前歯を2~3mm程度覆うのに対し、過蓋咬合ではそれ以上に重なり、下の前歯がほとんど見えなくなってしまいます。 重度の過蓋咬合では、下の前歯が上の前歯の裏側の歯ぐきに食い込み、歯肉に跡が残ることがあります。さらに、咬み合わせの異常が水平方向にも及ぶと、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)を伴うこともあります。 この状態が続くと、下顎の動きが制限され、奥歯や顎関節に過度な負担がかかることで、顎関節症のリスクが高まります。また、前歯での咀嚼がしづらくなり、奥歯の摩耗が進むほか、歯肉への負担が大きくなることで歯周病の原因となることもあります。 過蓋咬合は、上下の顎の発育バランスの違いや、乳児期の指しゃぶりといった習癖が影響して生じることが多いとされています。適切な矯正治療によって改善できるケースが多いため、早期に発見し、治療を開始することが重要です。 厚生労働省の歯科疾患実態調査(平成28年)によると、12歳から20歳の1.8%の方が過蓋咬合の疑いが持たれるオーバーバイト+6.0mm以上に含まれています。 出典:厚生労働省 平成28年歯科疾患実態調査 過蓋咬合の原因 過蓋咬合になってしまう原因は、以下の3つのようなものがあると言われています。 遺伝的な要因 過蓋咬合の原因の1つ目として考えられるのが、遺伝的要因です。歯並びや骨格と遺伝の関係については、多くの歯科医学・矯正歯科学の研究で指摘されており、両親や祖父母に過蓋咬合がある場合、同じ傾向が遺伝する可能性があります。 双子を対象とした調査研究でも、上下の歯の噛み合わせの深さに関して中程度の遺伝率が認められており、遺伝的要因が咬合状態に一定の影響を及ぼすことが示唆されています。 (参考:Influence of heritability on occlusal traits: a systematic review of studies in twins) 悪習癖 過蓋咬合の原因の2つ目として考えられるのが、悪習癖です。 下唇を噛んだり吸う癖や、幼少期に指しゃぶりの癖がなかなか治らなかったり、奥歯を強く噛みしめる癖があることで、歯の傾きに異常が起こり、過蓋咬合を引き起こすと言われています。 乳歯の早期脱落 過蓋咬合の原因の3つ目として考えられるのが、乳歯の早期脱落です。 むし歯や生え変わる時期が早いなどの理由で乳歯が早く喪失してしまうと、嚙み合わせが低くなり、過蓋咬合になってしまうと言われています。 過蓋咬合のリスク 過蓋咬合は、様々なリスクを引き起こします。以下の3つのリスクがあります。 見た目 過蓋咬合の第一のリスクとして、見た目に影響が出やすいことが挙げられます。歯を出して笑った時に、上の歯と歯肉も一緒に見えてしまうガミースマイルを引き起こしやすい嚙み合わせです。笑った際に普通より多く、歯肉が見えてしまうことで恥ずかしいと感じ、笑顔を隠してしまったり、笑うのをためらってしまうことに繋がります。 ガミースマイルについてより詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。 あわせて読みたい ガミースマイルとは?原因から治療法まで徹底解説 ガミースマイル(Gummy Smile)とは、笑ったときに歯茎が過度に露出する状態を指します。一般的に、笑顔時に1~2mm程度の歯茎が見える場合は気にする人は少ないですが、それ以上の露出があるとガミースマイルと認識される […] 顎関節症 過蓋咬合は前歯が本来の役割を果たさず、奥歯の使用頻度が増え、負担が多くかかります。顎関節や顎の筋肉に負担がかかるため、顎関節症のリスクが高くなってしまいます。 歯茎の炎症 前歯の噛み込みが深いと、下の歯が上の歯の裏側の歯肉を傷つけてしまいます。それによって、常に前歯の歯肉の裏側に炎症や腫れが起きてしまいます。また、奥歯の歯にも負担が強くかかるため、そこから歯肉に炎症が起こり、外傷性の歯周病が起きやすいと言われています。 過蓋咬合矯正の治療方法 実際に診断を受け、過蓋咬合を治すための治療方法には、次の方法があります。それぞれの方法と、メリット、デメリットをまとめました。 マウスピース矯正 目立たない矯正として有名な矯正方法が、マウスピース矯正となります。 メリット 目立たないので見た目に影響が出にくい 装置は取り外しが可能なため、歯ブラシや食事がしやすい 治療中の痛みが少ない デメリット 装着時間を守らないと歯並びや噛み合わせが治らない サービスによって歯を大きく動かす症例は不得意 ワイヤー矯正(歯の表側) 多くの方が、矯正というとイメージすることワイヤー矯正。金属製の金具もしくはプラスチック製の装置と、ワイヤーを歯の表面に付けるスタンダードな矯正方法となります。 メリット 症例数が多いので、安心して治療が受けられる 自分で取りはずしをしないので、治療の効果が高い デメリット 装置が目立つ 歯磨きが難しい 装置の調整後は、痛みが伴う場合が多い むし歯になりやすい 裏側矯正 歯の裏側に金属製の金具もしくはプラスチック製の装置と、ワイヤーを装着し、矯正治療を行う方法となります。 メリット 矯正装置が見えないため、矯正治療中だとわかりにくい 前歯を引っ込める治療は得意 むし歯には、比較的なりにくい デメリット 費用が高価 矯正装置の違和感が強い 食事や歯磨きが難しい 過蓋咬合矯正の料金を手法別・年代別に解説 過蓋咬合を治す矯正方法は、主に3種類あります。 マウスピース矯正、ワイヤー矯正、裏側矯正があり、それぞれ歯科医院によって料金設定は様々です。 下記の表で、料金を大まかにまとめました。 大人もしくは永久歯の子ども 乳歯・混合歯列の子ども マウスピース矯正 30万~80万 10万~50万(装置による) ワイヤー矯正(表側矯正) 70万~105万 25万から50万前後(装置による) ワイヤー矯正(裏側矯正) 100万~150万 30万〜80万 上記の料金はあくまでも参考になります。 矯正自体の料金は上記の金額でも、プラスで検査料や診断料、通院時に矯正装置調整料、お口の中のチェックにその他の費用がかかる場合があります。 費用が調整料全て込みのトータルフィー制度を採用している歯科医院もあります。トータルでいくらかかるのかを確認し、自分の予算に合った、無理のない範囲での治療を選択しましょう。 過蓋咬合の矯正に保険適用はされるか 基本的には保険適応外となります。 保険適応で治療が可能なケースがありますが、以下の条件があります。 先天的な病気による嚙み合わせの異常 生まれた時からお口の中に異常が見られる先天的な異常には、主に以下の疾患があります。 唇顎口蓋裂 ダウン症候群 顔面裂 軟骨形成不全症 これらの他にも厚生労働省によって定められた疾患があり、それらの疾患が原因で起こる嚙み合わせの異常のケースで、歯科医師の診断の上で矯正治療が必要となった際は、保険での矯正治療が認められます。 過蓋咬合の矯正に関するQ&A Q:過蓋咬合を治すとしゃくれる?顔が伸びる? A: 矯正治療によって直接的にしゃくれたり顔が伸びることはありません。ただし、治療によって噛み合わせや歯の位置が変わることで、顔の印象が変化する可能性はあります。 過蓋咬合の方は、噛み合わせが深いため、上下の歯が重なりすぎて顔全体が圧縮されたように見えることがあります。そのため、治療前は顎の長さが実際より短く見えていることが多いのです。 矯正治療によって噛み合わせが正常な状態に戻ると、これまで圧迫されていた歯列のバランスが整い、下顎の位置が自然な位置に下がります。その結果、顔や顎が以前より長くなったように感じたり、下顎が前に出たように見えることがあります。 過蓋咬合矯正の費用を把握して自分に合った最適なメニューで治療をしよう 今回は、過蓋咬合矯正の費用を手法別・年代別に紹介させていただきました。 過蓋咬合は、見た目だけでなく歯や顎関節に様々な影響を及ぼします。 治療方法は、費用や期間、メリット・デメリットを考慮しての選択が可能となっています。 DPEARLでは、過蓋咬合の患者さまのお悩みに応えています。他のマウスピース矯正やワイヤー矯正と比較しても、費用を抑えての治療が可能です。 自己管理の重要なマウスピース矯正をサポートする体制も整っており、治療中も独自のアプリで伴走してくれて、モチベーションの維持、ご質問、お困りごとに対応します。 興味がある方は、是非一度初診にお越しください。 前の記事 すきっ歯の矯正の費用を手法別・年代別に解説【歯科医師監修】 次の記事 矯正用マウスピースの作り直しの費用を解説【歯科医師監修】割れた後の対処も併せて紹介
過蓋咬合(深い咬み合わせ)の矯正費用を手法別・年代別に紹介 – 保険適用ケースも
自分の歯を鏡や写真で見た時、歯並びや嚙み合わせが気になる方も多いのではないでしょうか?
上記のような症状や見た目でお悩みの方は、過蓋咬合という嚙み合わせの可能性が考えられます。
過蓋咬合は、見た目のリスクだけでなく、歯や顎に様々なリスクを及ぼすことがあり、症状が出る前に、矯正治療によって改善することが必要だと言われています。
今回は、矯正に携わる歯科医師が過蓋咬合に関する矯正治療や費用、また保険適応のケースについても紹介させていただきます。
その他の症例についてはこちらの記事でまとめています。併せて御覧ください。
過蓋咬合とは
過蓋咬合とは、上下の歯の咬み合わせが通常よりも深く、下の前歯が上の前歯によって過剰に覆われている状態を指します。専門的には「ディープバイト」とも呼ばれ、正常な咬み合わせでは上の前歯が下の前歯を2~3mm程度覆うのに対し、過蓋咬合ではそれ以上に重なり、下の前歯がほとんど見えなくなってしまいます。
重度の過蓋咬合では、下の前歯が上の前歯の裏側の歯ぐきに食い込み、歯肉に跡が残ることがあります。さらに、咬み合わせの異常が水平方向にも及ぶと、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)を伴うこともあります。
この状態が続くと、下顎の動きが制限され、奥歯や顎関節に過度な負担がかかることで、顎関節症のリスクが高まります。また、前歯での咀嚼がしづらくなり、奥歯の摩耗が進むほか、歯肉への負担が大きくなることで歯周病の原因となることもあります。
過蓋咬合は、上下の顎の発育バランスの違いや、乳児期の指しゃぶりといった習癖が影響して生じることが多いとされています。適切な矯正治療によって改善できるケースが多いため、早期に発見し、治療を開始することが重要です。
厚生労働省の歯科疾患実態調査(平成28年)によると、12歳から20歳の1.8%の方が過蓋咬合の疑いが持たれるオーバーバイト+6.0mm以上に含まれています。
出典:厚生労働省 平成28年歯科疾患実態調査
過蓋咬合の原因
過蓋咬合になってしまう原因は、以下の3つのようなものがあると言われています。
遺伝的な要因
過蓋咬合の原因の1つ目として考えられるのが、遺伝的要因です。歯並びや骨格と遺伝の関係については、多くの歯科医学・矯正歯科学の研究で指摘されており、両親や祖父母に過蓋咬合がある場合、同じ傾向が遺伝する可能性があります。
双子を対象とした調査研究でも、上下の歯の噛み合わせの深さに関して中程度の遺伝率が認められており、遺伝的要因が咬合状態に一定の影響を及ぼすことが示唆されています。
(参考:Influence of heritability on occlusal traits: a systematic review of studies in twins)
悪習癖
過蓋咬合の原因の2つ目として考えられるのが、悪習癖です。
下唇を噛んだり吸う癖や、幼少期に指しゃぶりの癖がなかなか治らなかったり、奥歯を強く噛みしめる癖があることで、歯の傾きに異常が起こり、過蓋咬合を引き起こすと言われています。
乳歯の早期脱落
過蓋咬合の原因の3つ目として考えられるのが、乳歯の早期脱落です。
むし歯や生え変わる時期が早いなどの理由で乳歯が早く喪失してしまうと、嚙み合わせが低くなり、過蓋咬合になってしまうと言われています。
過蓋咬合のリスク
過蓋咬合は、様々なリスクを引き起こします。以下の3つのリスクがあります。
見た目
過蓋咬合の第一のリスクとして、見た目に影響が出やすいことが挙げられます。歯を出して笑った時に、上の歯と歯肉も一緒に見えてしまうガミースマイルを引き起こしやすい嚙み合わせです。笑った際に普通より多く、歯肉が見えてしまうことで恥ずかしいと感じ、笑顔を隠してしまったり、笑うのをためらってしまうことに繋がります。
ガミースマイルについてより詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
顎関節症
過蓋咬合は前歯が本来の役割を果たさず、奥歯の使用頻度が増え、負担が多くかかります。顎関節や顎の筋肉に負担がかかるため、顎関節症のリスクが高くなってしまいます。
歯茎の炎症
前歯の噛み込みが深いと、下の歯が上の歯の裏側の歯肉を傷つけてしまいます。それによって、常に前歯の歯肉の裏側に炎症や腫れが起きてしまいます。また、奥歯の歯にも負担が強くかかるため、そこから歯肉に炎症が起こり、外傷性の歯周病が起きやすいと言われています。
過蓋咬合矯正の治療方法
実際に診断を受け、過蓋咬合を治すための治療方法には、次の方法があります。それぞれの方法と、メリット、デメリットをまとめました。
マウスピース矯正
目立たない矯正として有名な矯正方法が、マウスピース矯正となります。
メリット
デメリット
ワイヤー矯正(歯の表側)
多くの方が、矯正というとイメージすることワイヤー矯正。金属製の金具もしくはプラスチック製の装置と、ワイヤーを歯の表面に付けるスタンダードな矯正方法となります。
メリット
デメリット
裏側矯正
歯の裏側に金属製の金具もしくはプラスチック製の装置と、ワイヤーを装着し、矯正治療を行う方法となります。
メリット
デメリット
過蓋咬合矯正の料金を手法別・年代別に解説
過蓋咬合を治す矯正方法は、主に3種類あります。
マウスピース矯正、ワイヤー矯正、裏側矯正があり、それぞれ歯科医院によって料金設定は様々です。
下記の表で、料金を大まかにまとめました。
上記の料金はあくまでも参考になります。
矯正自体の料金は上記の金額でも、プラスで検査料や診断料、通院時に矯正装置調整料、お口の中のチェックにその他の費用がかかる場合があります。
費用が調整料全て込みのトータルフィー制度を採用している歯科医院もあります。トータルでいくらかかるのかを確認し、自分の予算に合った、無理のない範囲での治療を選択しましょう。
過蓋咬合の矯正に保険適用はされるか
基本的には保険適応外となります。
保険適応で治療が可能なケースがありますが、以下の条件があります。
先天的な病気による嚙み合わせの異常
生まれた時からお口の中に異常が見られる先天的な異常には、主に以下の疾患があります。
これらの他にも厚生労働省によって定められた疾患があり、それらの疾患が原因で起こる嚙み合わせの異常のケースで、歯科医師の診断の上で矯正治療が必要となった際は、保険での矯正治療が認められます。
過蓋咬合の矯正に関するQ&A
Q:過蓋咬合を治すとしゃくれる?顔が伸びる?
A: 矯正治療によって直接的にしゃくれたり顔が伸びることはありません。ただし、治療によって噛み合わせや歯の位置が変わることで、顔の印象が変化する可能性はあります。
過蓋咬合の方は、噛み合わせが深いため、上下の歯が重なりすぎて顔全体が圧縮されたように見えることがあります。そのため、治療前は顎の長さが実際より短く見えていることが多いのです。
矯正治療によって噛み合わせが正常な状態に戻ると、これまで圧迫されていた歯列のバランスが整い、下顎の位置が自然な位置に下がります。その結果、顔や顎が以前より長くなったように感じたり、下顎が前に出たように見えることがあります。
過蓋咬合矯正の費用を把握して自分に合った最適なメニューで治療をしよう
今回は、過蓋咬合矯正の費用を手法別・年代別に紹介させていただきました。
過蓋咬合は、見た目だけでなく歯や顎関節に様々な影響を及ぼします。
治療方法は、費用や期間、メリット・デメリットを考慮しての選択が可能となっています。
DPEARLでは、過蓋咬合の患者さまのお悩みに応えています。他のマウスピース矯正やワイヤー矯正と比較しても、費用を抑えての治療が可能です。
自己管理の重要なマウスピース矯正をサポートする体制も整っており、治療中も独自のアプリで伴走してくれて、モチベーションの維持、ご質問、お困りごとに対応します。
興味がある方は、是非一度初診にお越しください。
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