犬歯の位置ずれは矯正できる？八重歯のように飛び出した歯の治療法と費用を解説

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笑うと犬歯だけ飛び出して見える、片方の犬歯が高い位置にある——そんな見た目の悩みは歯科矯正で解消できます。犬歯の位置ずれや八重歯の原因、抜かずに整える矯正法、費用・期間の目安まで詳しく解説。自然な口元を目指したい方におすすめです。

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犬歯の位置がずれているのはなぜ？

犬歯の位置ずれは、見た目だけでなく歯列全体のバランスにも影響します。原因はいくつか考えられ、複数の要素が重なって起こることも少なくありません。

☑️犬歯が高い位置に生える・飛び出す原因

・顎のスペース不足：歯が並ぶ場所が足りず、犬歯が外側に押し出されてしまう。

・乳歯の早期喪失：乳歯が早く抜けると、永久歯の生える位置がずれてしまう。

・歯胚（歯の芽）の位置ずれ：歯の成長段階で、犬歯の芽が正しい位置に形成されない。

・遺伝や生活習慣：骨格の遺伝、口呼吸、指しゃぶりなども歯並びに影響。

犬歯の位置ずれはひとつの原因に限らず、発達や生活習慣など複数の要因が絡み合って生じます。早期に原因を特定し、適切な治療方針を立てることが、矯正を成功させる鍵となります。

八重歯と犬歯の違い

「犬歯」と「八重歯」はよく混同されますが、実はまったく別の意味を持っています。

犬歯は“歯の種類”のことで、前歯から3番目にある尖った歯のこと。

一方、八重歯はその犬歯が本来の位置からずれて重なって生えている“歯並びの状態”を指します。

	犬歯	八重歯
分類	歯の名前（種類）	歯並びの状態
位置	前歯から3番目に位置し、左右1本ずつある	犬歯が本来の位置から外側や上にずれて生えた状態
見た目	歯列の中に自然に収まることが多い	飛び出して見える・笑うと目立つ
役割	噛み合わせのガイド役。食べ物を噛み切る補助	機能は同じだが、位置ずれにより噛み合わせへ悪影響も

見た目の印象だけでなく、噛み合わせや清掃のしにくさなど機能面への影響もあるため、

気になる場合は早めに矯正相談を受けるのがおすすめです。

犬歯の位置ずれを放置するとどうなる？

犬歯の位置ずれは、見た目の問題だけでなく、噛み合わせや歯の健康にも影響します。早めに歯科医院で相談し、適切な治療を受けることで、審美面と機能面の両方を守ることができます。

噛み合わせや歯磨きへの影響

犬歯は本来、食べ物を引き裂く役割を持ち、噛み合わせのバランスをとる重要な歯です。位置がずれると噛む力が一部の歯に集中し、歯や顎に負担がかかる原因になります。

また、重なりやねじれによって歯ブラシが届きにくくなり、虫歯や歯周病のリスクも高まります。

口元の印象・笑顔への影響

犬歯が突出していると、笑ったときにその部分だけ目立ちやすく、口元のバランスが崩れて見えることがあります。本人が気にすることで自然な笑顔を抑えてしまい、コンプレックスにつながるケースも少なくありません。

将来的な歯列トラブルのリスク

犬歯の位置ずれを長期間放置すると、隣の歯を圧迫して全体の歯列にズレが生じることがあります。

噛み合わせが悪化することで、顎関節に負担がかかり、顎の痛みや歯の摩耗といった二次的なトラブルを引き起こす可能性もあります。

犬歯の位置ずれ・八重歯は矯正で治せる？

犬歯の位置ずれや八重歯は、矯正治療によって整えることが可能です。軽度であれば短期間・低コストで改善できる場合もあります。

 ただし、ズレの程度や噛み合わせの状態によっては、治療方法や期間が変わるため、歯科医による精密な診断が欠かせません。

見た目の印象だけでなく、噛み合わせや歯の健康を守るためにも、早めの治療がおすすめです。

犬歯が動きにくい理由

犬歯は、他の歯と比べて根が深く、顎の骨にしっかり埋まっているため、動かす際には慎重な力のコントロールが必要です。主な理由は以下です。

理由	説明
根が長く深いから	骨にしっかり固定されており、移動に時間がかかる
咬合の要となる歯だから	噛み合わせの中心的役割があり、バランスを崩しやすい
強い力をかけられないから	無理に動かすと、歯や骨、神経に負担がかかる

そのため、犬歯の位置ずれを治す際は、ゆっくり慎重に時間をかけて動かす治療計画が立てられます。適切な力加減で進めることで、歯や骨にダメージを与えず、安定した歯並びを目指せます。

犬歯の矯正方法｜装置別に解説

犬歯の矯正では、歯のズレの程度や歯列全体のバランスに応じて「ワイヤー or マウスピース」などの方法が選ばれます。

それぞれの特徴や費用、治療期間を理解しておくことで、自分に合った治療が選びやすくなります。

ワイヤー矯正｜確実に犬歯を下げたい人に

犬歯に小さなブラケット（装置）を取り付け、ワイヤーの力で少しずつ理想の位置へ移動させます。コントロール性が高く、重度の位置ずれにも対応できるのが特徴です。

特徴	内容
治療の確実性	◎ 精密に動かせるため重度のズレにも対応
見た目	△ 装置が目立ちやすい（裏側矯正で改善可）
治療期間	約1〜3年
費用の目安	約70〜120万円
向いている人	確実に犬歯を下げたい／全体的に整えたい人

確実に歯を動かしたい方や、ズレが大きいケースにおすすめ。歯科医が細かく力を調整できるため、完成度の高い仕上がりが期待できます。

マウスピース矯正｜目立たず部分的に整えたい人に

透明なマウスピースを使って、犬歯を少しずつ正しい位置へ移動させます。見た目が自然で取り外し可能な点が人気です。

特徴	内容
治療の確実性	○ 軽度〜中程度のズレに対応可能
見た目	◎ 透明で目立たない
治療期間	約3か月〜1年
費用の目安	約20〜100万円
向いている人	軽度のズレ／見た目を重視する人

 

食事や歯磨き時に取り外せるため、衛生的で生活のストレスが少ないのがメリット。ただし、装着時間を守らないと効果が出にくいため、自己管理が重要です。

保定（リテーナー）と後戻り防止のポイント

犬歯を含む矯正治療が完了したあとも、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起こる可能性があります。そのため、治療後には「リテーナー（保定装置）」を使って歯を固定することが大切です。

☑️リテーナーの役割

・移動した歯が骨に安定して定着するまでサポートする

・矯正直後の不安定な歯列を守り、後戻りを防ぐ

・保定期間中もきれいな歯並びを維持

リテーナーは、最低でも1〜2年は装着が必要。歯の動きが大きかった場合や年齢が若い場合は長期保定（3年以上）を推奨されることもあります。最初の半年〜1年は毎日装着（終日）、その後は就寝時のみになるケースが多いです。

☑️後戻りを防ぐコツ

・指示された時間どおりにリテーナーを装着する

・定期的に歯科でリテーナーの状態をチェック

・歯ぎしり・食いしばりなどがある場合は専用マウスピースを併用

・歯列の変化を感じたら、すぐに歯科へ相談

矯正治療は「歯を動かすまで」がゴールではなく、動かした歯を安定させる期間が成功のカギです。

保定装置を正しく使い、歯科でのメンテナンスを続けることで、理想の歯並びを長くキープできます。

犬歯の矯正にかかる期間の目安

治療方法によって期間は大きく変わります。ここでは、治療にかかる期間、保険適用の可否について解説します。

治療期間と通院回数の目安

方法	治療期間	通院頻度	特徴
全体矯正	約1〜3年	月1回〜1.5か月に1回	犬歯だけでなく全体のバランスも調整
保定期間	約1〜2年	3〜6か月ごと	後戻り防止のための重要ステップ

犬歯は他の歯より動きにくいため、平均より少し長めにかかることもあります。

歯科医の指示に従って保定期間までしっかり続けることが大切です。

保険適用の可否と自費診療の違い

犬歯の位置ずれや八重歯の矯正は、基本的に保険適用外（自費診療）です。ただし、以下のような例外ケースでは保険が使えることもあります。

適用区分	内容
保険適用あり	先天的な異常（顎変形症・咬合異常など）で外科手術が必要な場合
保険適用なし	審美目的・軽度の位置ずれ・八重歯などの矯正

多くのクリニックでは無料カウンセリングを実施しているため、保険の対象になるかどうかを事前に確認しておくと安心です。

犬歯の矯正治療の流れ

犬歯の矯正は、段階的に計画的に進めることで安全かつ自然な歯並びを実現します。各ステップで何をするのかを整理しました。

ステップ	内容	ポイント	期間の目安
1. カウンセリング・検査	歯並び・噛み合わせのチェック、レントゲン・3Dスキャンで歯や骨の状態確認、生活習慣ヒアリング	犬歯の位置ずれの原因を特定し、最適な矯正方法を判断	約1〜2週間
2. 治療計画の立案	抜歯の有無を判断、矯正装置の選定、治療期間・通院スケジュールの見積もり	犬歯の位置や歯列に合わせたオーダーメイド計画を作成	約2〜3週間
3. 矯正装置の装着・犬歯の移動	ワイヤーやマウスピースで少しずつ犬歯を正しい位置に移動、必要に応じ補助装置（アンカースクリューなど）使用	無理に力をかけず、歯や骨に負担をかけない調整が重要	数か月〜1年（ケースによる）
4. 保定期間とアフターケア	リテーナーで歯を固定、定期チェックで後戻りや噛み合わせの変化確認、装置の不具合があれば調整	治療後の安定化が矯正の最終ゴール	数か月〜数年（個人差あり）

犬歯矯正は「診断 → 計画 → 移動 → 保定」の4段階で進めることが基本です。各ステップを丁寧に行うことで、安全に歯を動かし、自然で美しい歯並びを長く維持できます。

犬歯の矯正に関するよくある質問（FAQ）

Q. 犬歯だけ矯正できますか？

A. 犬歯だけの矯正は可能ですが、多くの場合は全体矯正が必要になります。

犬歯は噛み合わせや他の歯の位置に大きく関係しているため、部分的に動かすとバランスが崩れることがあります。そのため、歯列全体を調整する「全体矯正」で行う方が、見た目だけでなく機能面でも安定した仕上がりを得やすいです。

Q. 犬歯の矯正は痛い？動きにくいって本当？

A. 個人差はありますが、軽い痛みや違和感が出ることがあります。

犬歯は根が深く骨にしっかり埋まっているため、他の歯より移動が遅く感じることがあります。矯正直後は歯が圧迫される違和感や痛みが出る場合がありますが、数日〜1週間で落ち着くことが多いです。適切な力で徐々に動かすことで負担を最小限にできます。

Q. 犬歯の矯正後に後戻りすることはありますか？

A. 後戻りは起こる可能性があるため、リテーナーでの保定が必須です。

矯正で移動した歯は、骨や歯周組織が安定するまで元の位置に戻ろうとします。リテーナーを正しく装着し、定期的に歯科でチェックすることで後戻りを防ぎ、きれいな歯並びを維持できます。

Q. 犬歯の矯正をするベストな年齢は？

A. 成長期の子どもから成人まで矯正可能ですが、若いうちの方が動きやすいです。

小学生〜中学生の成長期は骨が柔らかく、歯が動きやすいため短期間で改善できる場合があります。成人でも矯正は可能ですが、治療期間がやや長くなることや、骨や歯周組織の状態によって方法を工夫する必要があります。

あなたに合った矯正で犬歯の位置ずれを整えましょう

犬歯の位置ずれや八重歯は見た目だけでなく噛み合わせや歯の健康にも影響します。軽度のずれなら部分矯正で改善でき、ワイヤーやマウスピース、補助装置で痛みや期間を抑えながら自然な歯並びに整えられます。

矯正後はリテーナーで固定し、後戻りを防ぐことも大切。まずは歯科でカウンセリングを受け、自分に合った方法で笑顔に自信を持てる口元を手に入れましょう。