矯正はどのくらいの期間かかる？平均期間と治療方法の違い・計画通りに進めるポイントを解説

「矯正を始めたいけど、どのくらいの期間がかかるか不安…」そんな悩みを抱える方へ。この記事では、装置別の平均期間や保定期間、短期間で終わる治療方法の違いを徹底解説。大人の矯正の注意点や早く終わらせるコツも紹介しているので、矯正を検討中の方はぜひ参考にしてください。

矯正はどのくらいの期間かかる？基本の目安を解説

矯正治療は、個人の歯並びの状態にもよりますが、軽度の歯並びなら約数ヶ月〜半年、全体矯正の場合は平均1〜2年ほどが一般的です。保定期間を含めると、さらに長くなります。

治療前に通院頻度や準備期間を確認すると無理のないスケジュールが立てやすくなります。

矯正後のケアも大切！保定期間とは

矯正で歯並びを整えた後も、リテーナー（保定装置）を使った保定期間が必要です。

矯正後は1〜3年間、リテーナーで歯を安定させます。装着を怠ると歯が元に戻る「後戻り」が起こるため、指示通りの使用が大切です。保定期間中の管理も治療の重要な一部と考えましょう。

なぜ矯正には時間がかかるのか？期間が長くなる理由

歯が動く仕組みとスピードは？

歯は骨の中で新しい骨を作りながら少しずつ動きます。急に動かすと歯根吸収や歯ぐきの炎症などのリスクがあるため、自然なスピードで時間をかけて移動させます。

また、年齢や骨の健康状態によって動く速さは変わるため、治療期間は人によって異なります。

歯並びの難しさや抜歯の必要性がある場合は長くなることも

歯並びが複雑だったり、噛み合わせに問題がある場合は、歯を動かすのに時間がかかります。また、歯を抜く必要があると治療全体が長くなることがあります。

装置・治療法別の矯正期間比較表

矯正にかかる期間は、装置や治療法によって大きく変わります。以下の表で代表的な方法と平均期間、特徴をまとめました。自分に合った治療方法を選ぶ際の参考にしてください。

装置/治療法	平均期間	特徴	メリット	デメリット	短期間向きか
ワイヤー矯正	1～3年	精密な歯の移動が可能	幅広い症例に対応	見た目が目立つ、口内トラブルの可能性	△
マウスピース矯正	2ヶ月～2年	透明で目立たない、取り外し可能	通院回数が少ない、食事制限は特になし	複雑な歯並びには不向き	◯（歯並びの状態による）
セラミック矯正	数週間〜数ヶ月	審美性重視、歯の形を整えやすい	短期間で歯並びを整えられる	歯を削る必要がある	◎（ただし矯正ではなく審美治療）

歯並びの状態により、マウスピース矯正も比較的短期間で矯正完了できます。ただし、歯の状態や噛み合わせによって適さない場合もあるため、必ず歯科医師に相談してください。

矯正を計画的に進めるポイント・短期間で済む条件は？

矯正をなるべく短期間で終わらせたい場合は、治療方法や日常の習慣、装置の使い方にポイントがあります。以下のポイントを押さえると、効率的に治療を進められます。

装置の選び方と治療方法

装置・方法	特徴	ポイント
セラミック矯正	歯を少し削ってセラミック製の被せ物（クラウン）を装着し、歯並びを整える	見た目重視の人におすすめ
アンカースクリュー	難症例の治療を可能にしたり、歯の動きを効率化したりする装置	一部症例で使用

※補助装置はすべての症例に適応するわけではないため、必ず歯科医師に相談しましょう。

短期間で治療を進めるために、場合によっては補助装置を使うこともあります。これらを活用することで、通常より早く歯並びを整えやすくなります。ただし、歯の状態や症例によって適さない場合もあるため、必ず歯科医師に相談しましょう。

通院頻度と装置装着時間

• マウスピース矯正は1日20時間以上の装着が目安
• 通院スケジュールを計画通りに守る

装着時間や通院を守ることで、治療が予定より長引くリスクを減らせます。

口腔内の健康管理

• 虫歯や歯周病を治した状態で矯正をはじめる
• 毎日のブラッシングや定期的な歯科チェックで口内を清潔に保つ

健康な口内環境を維持することは、スムーズに治療を進めるために欠かせません。

リテーナーの使用

• 矯正後は保定装置（リテーナー）を正しく使用する

リテーナーは歯が元の位置に戻るのを防ぎ、整った歯並びを長持ちさせます。せっかく整えた歯並びを後戻りさせないよう、正しくリテーナーを使いましょう。

大人が矯正をする際に知っておきたい注意点

大人の矯正は期間が長くなる？

大人は骨代謝が遅く歯が動きにくいため、同じ症例でも子どもより数か月〜1年ほど長くかかる場合があります。理由として、以下があります。

• 骨代謝が遅い：大人の骨は硬く、歯の移動スピードが遅くなる
• 歯並びや噛み合わせの複雑さ：重なりやずれがある場合、歯を動かすのに時間がかかる

さらに、大人ならではの生活環境も治療期間に影響します。

• 仕事の都合：長時間勤務や出張が多いと通院頻度が制限され、期間が延びる可能性がある
• 家庭や育児：子育て中で通院が難しい場合、計画的に調整する必要がある
• 健康状態：虫歯や歯周病があると矯正が中断されることがあるため、事前に口腔内の健康管理が重要

 大人の矯正は「骨代謝」「症例の複雑さ」「生活環境」によって期間が変わるため、計画的に無理なく進めることが大切です。

生活に合わせた治療計画

大人の矯正は、仕事や家庭の都合、ライフスタイルに合わせた柔軟な治療計画が重要です。以下のようなケースを想定するとイメージしやすくなります。

• 仕事の都合：長時間のデスクワークや出張が多い場合、通院間隔を調整したり、通院時間が短い装置を選ぶことで無理なく治療を進められる
  
• 家庭や育児の事情：子育て中で通院の時間が取りにくい場合は、マウスピース矯正のように自宅で装置管理ができる方法を検討するのがおすすめ
  
• 趣味やライフイベント：結婚式や大切なイベントに向けて見た目を整えたい場合、短期間で成果が出やすい治療法を優先して計画する
  

通院スケジュールや装置の種類は必ず歯科医師と相談して決めましょう。無理のない計画を立てることで、忙しい大人でもストレスなく矯正を進められ、後戻りのリスクも減らせます。

矯正をやめたほうがいいケースとは？

• 虫歯や歯周病など口腔内の健康状態が不十分
• 装置の使用時間やお手入れが正しく管理できない
• 治療の負担がライフスタイルに合わない場合

事前にリスクや自身の生活環境を確認することで、矯正中のトラブルや後悔を防ぐことができます。心配な場合はセカンドオピニオンも有効です。

矯正の期間は人それぞれ。自分に合う矯正を知るために、まず専門医に相談しましょう

矯正の期間は装置・治療方法・年齢・症例によって大きく変わります。短期間で終わらせたい場合は、セラミック矯正や補助装置を活用しつつ、通院や装置の管理をしっかり行うことがポイントです。

大人でも、口腔内の状態が整っていれば短期間での矯正もできます。この記事を参考に、専門医とともに自分に合った矯正計画を立て、安心して治療を始めましょう。