歯列矯正は銀歯があっても大丈夫？治療前に知りたい流れやリスク・注意点を解説

銀歯があるけど矯正したい――そう考えたとき、「銀歯だらけでも歯列矯正ってできるの？」「装置が外れやすい？」「治療前に銀歯をやり直すべき？」と不安になりますよね。本記事では、銀歯がある場合の矯正の可否から治療の流れ、痛みや取れやすさのリスク、銀歯を白くするタイミングまで詳しく解説します。ワイヤー矯正やマウスピース矯正を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

銀歯があっても歯列矯正はできる？基本の考え方

銀歯がある場合でも、多くのケースで歯列矯正は可能です。ただし、銀歯が詰め物か被せ物か、またブリッジかによって、矯正装置の接着力や治療計画が異なります。まずは歯科医による精密な診断を受けることが重要です。

虫歯治療が古く銀歯が取れやすい状態や、噛み合わせが不安定な場合は、矯正前に銀歯のやり直しが提案されることもあります。

銀歯だらけでも矯正が可能なケース

銀歯が多くても、歯や歯根が健康でしっかりしていれば矯正治療は可能です。装置を接着する専用の処置や接着剤を使うことで、ブラケット矯正やマウスピース矯正も行えます。以下のような条件を満たしていれば、治療を進められるケースがあります。

☑️判断ポイント

• 銀歯が詰め物や被せ物でも、装置を固定する専用接着剤の使用が可能
• 虫歯治療が完了しており、歯の土台（歯根）が安定している
• ブリッジや仮歯があっても、矯正歯科と一般歯科が連携すれば対応できる場合がある

銀歯の本数が多くても、歯の状態が整っていれば問題なく矯正できることがあります。まずは矯正専門医で歯や歯根の健康状態を確認してもらうことが大切です。

矯正が難しい・治療が必要になるケース

銀歯があっても、歯の状態によってはそのまま矯正が難しい場合があります。無理に装置を付けると外れやすくなったり、歯に過度な負担がかかる恐れがあるため、矯正前に治療や再処置が必要になることがあります。

☑️注意が必要なケース

• 銀歯の下で虫歯が再発しており、土台の歯が弱っている
• 土台の歯がもろく、矯正で動かすと被せ物が取れやすい
• ブリッジで複数の歯がつながっているため、動かしにくい
• かみ合わせや歯根の状態が不安定で、装置を付けても安定しない

これらの場合は、矯正前に銀歯を外して再治療や抜歯が必要になることもあります。レントゲン検査や精密診断を受け、歯科医と連携して治療計画を立てましょう。

銀歯が多い人に向いている矯正方法

ワイヤー矯正（ブラケット・バンド）

ブラケットやバンドを銀歯に装着することが可能ですが、接着力が弱く、外れやすいリスクがあります。銀歯の表面処理や専用接着剤を使用することで対応できる場合が多いため、経験豊富な歯科医に相談することをおすすめします。

マウスピース矯正（DPEARL、インビザラインなど）

マウスピース矯正は歯の表面に装置を付けないため、銀歯があっても治療しやすい傾向があります。ただし、歯の動かし方によってはアタッチメントを付ける必要があり、銀歯の位置によって制限が出る場合があります。

部分矯正や仮歯を活用するケース

前歯のみ動かす部分矯正では、銀歯を仮歯に置き換えてから装置を装着する場合もあります。治療期間や費用を抑えたい方にも選択肢となる方法です。

治療前に知っておきたいリスクと注意点

銀歯が取れる・外れるリスク

矯正装置の力が加わることで、銀歯や被せ物が外れたり緩んだりすることがあります。特に古い銀歯や接着面が少ない詰め物は要注意です。接着力を高める処置や、定期的なチェック・早めの調整でリスクを抑えられます。

銀歯周囲の痛みや知覚過敏への対応

歯が動く過程で噛み合わせが変化し、銀歯周囲に痛みやしみる感覚が出る場合があります。多くは一時的な症状ですが、痛みが強い場合はワイヤー調整やマウスピースの再作成で改善できます。早めに矯正歯科へ相談しましょう。

銀歯の抜歯ややり直しが必要なケースも

虫歯の再発や、銀歯の下に隠れた感染がある場合は矯正前に治療が必要です。場合によっては銀歯を外して再治療、抜歯を行ってから矯正を開始することもあります。

事前にレントゲンやCT撮影で歯根や骨の状態を確認し、一般歯科と連携して治療計画を立てることが重要です。矯正歯科だけでなく、かかりつけ歯科医との連携体制が整ったクリニックを選ぶことで、リスクを最小限に抑えながら安全に治療を進められます。

矯正開始までの流れと治療ステップ

銀歯が多くても、以下のステップを踏むことで安全に矯正を進められます。矯正歯科と一般歯科の連携が成功のカギです。

ステップ	内容	ポイント
1. 初診相談	カウンセリングで銀歯の状態や矯正方法（ワイヤー・マウスピースなど）を相談	銀歯の本数や位置を詳しく伝える
2. 精密検査	レントゲン・口腔内写真・歯型を採取し、歯や歯根、噛み合わせを詳細にチェック	隠れた虫歯や歯根の状態を確認
3. 治療計画の作成	検査結果をもとに、矯正プランを決定	銀歯の治療や抜歯の必要性も説明
4. 銀歯の治療・やり直し	虫歯の再発や土台が弱い場合は、矯正前に銀歯を外して再治療	矯正中にトラブルが起きないよう事前対策
5. 矯正装置の装着	銀歯にも接着できる処置を行い、装置を装着して矯正開始	接着強化で外れにくくする

銀歯がある場合の矯正治療を成功させるためには、初診時に銀歯の本数や治療歴を正確に伝えることがとても大切です。

銀歯を白い歯に変える3つの方法

銀歯を自然な白さに変える方法は、セラミック・レジン・素材変更の大きく3種類があります。目的や費用、見た目の希望に合わせて選びましょう。

方法	特徴	メリット	向いているケース
1. セラミッククラウン（オールセラミック・ハイブリッド）	強度と美しさを兼ね備えた被せ物。色調や質感が天然歯に近い	耐久性が高く変色しにくい。前歯や目立つ部位に最適	銀歯を全面的に白くしたい、見た目を重視したい
2. コンポジットレジン	樹脂を歯に直接盛り付けて白くする	比較的安価・短期間で治療可能。削る量が少ない	小さな詰め物や軽度の銀歯を白くしたい
3. ブリッジ・クラウン素材変更	既存のブリッジやクラウンをセラミックやジルコニアに置き換える	銀歯の連結部もまとめて白くできる	ブリッジを使っている方、複数の歯を一度に改善したい

銀歯を白くする方法は仕上がりや費用で選び方が変わります。審美性を重視するならセラミッククラウン、費用や治療期間を抑えたいならコンポジットレジン、複数歯を一度に改善したいならブリッジの素材変更がおすすめです。

銀歯を白くするベストなタイミングは？

銀歯を白くする治療は、矯正前・矯正中・矯正後のどの段階でも可能ですが、それぞれにメリットや注意点があります。歯の状態や治療計画に合わせてベストなタイミングを選ぶことが大切です。

タイミング	メリット	注意点・リスク	こんな人におすすめ
矯正前に交換	・虫歯や銀歯の土台を事前に治療できる ・矯正中にトラブルを防げる	・矯正装置との接着面に合わせた形に調整が必要	銀歯の下に虫歯がある、装置をしっかり固定したい人
矯正中に交換	・治療中にトラブルが起きてもすぐ対応できる	・装置の取り外しが必要になる場合があり治療期間が延びることも	矯正中に銀歯が外れた・割れたなど緊急対応が必要な人
矯正後にまとめて交換	・歯並びが整った状態で最終的な色や形を決められる ・仕上がりがより美しくなる	・矯正中に銀歯が外れるリスクは残る	最終的に全体の審美性を重視したい、仕上がりにこだわりたい人

矯正と銀歯治療を同時に進めるメリット

矯正と銀歯の治療を同時に行うことで、見た目・機能・健康のすべての面でメリットがあります。治療の順番やタイミングを考慮しながら進めることで、効率よく美しい歯並びを手に入れられます。

見た目（審美性）の改善

• 銀歯を白い歯に変えることで、矯正後の整った歯並びがより自然で美しく見える。
• 矯正と同時に治療することで、治療後に銀歯だけ浮いて見えるといった違和感を避けられる。
• 前歯や目立つ部分の銀歯も、矯正後の最終形に合わせて最適な色・形に整えられる。

咬み合わせ・機能性の改善

• 矯正で歯の位置を整えながら銀歯を治療することで、噛み合わせを正確に調整できる。
• ブリッジやクラウンを同時に整えることで、咀しゃく効率が向上し、歯にかかる負担も軽減される。
• 歯の高さや角度を矯正後に合わせて治療できるため、咬合の安定性が高まるのも大きなメリット。

虫歯再発防止や長期的な歯の健康

• 矯正中に歯の隙間や歯並びが整うことで、清掃しやすくなり虫歯リスクが低下する。
• 銀歯の下に隠れた虫歯や感染も同時に確認・治療できるため、長期的な歯の健康を保ちやすくなる。
• 矯正と銀歯治療をまとめて行うことで、治療期間を短縮し、再治療のリスクも減らせる。

銀歯がある人が矯正を成功させるポイント

• 経験豊富な矯正歯科を選ぶ
  矯正中のトラブルを防ぎ、適切な治療計画を立てられる歯科医院を選びましょう。
• 銀歯の状態を正確に把握する
  虫歯や歯の土台の状態をしっかり確認し、必要に応じて治療や再治療を計画に組み込みます。
• セカンドオピニオンの活用
  複数の歯科医院で相談し、矯正と審美治療の両方に対応できる医院を選ぶと安心です。

矯正と銀歯治療を安全かつ効率的に進めるためには、医院選びと事前の情報共有が最も重要です。

銀歯があっても歯列矯正はできる！矯正でより美しい口元を

銀歯があっても歯列矯正は多くの場合可能です。ただし、銀歯の状態や矯正方法によってリスクや治療計画が異なります。

事前に歯科医としっかり相談し、矯正と銀歯治療のタイミングを見極めて、理想の歯並びと白い歯を同時に目指しましょう！